――――昨日はあのまま帰ることにした。



英介くんの顔を忘れられなかった。いや、昨日は忘れてはいけなかったと思う。



だからって、今日とか明日になったら忘れてもいいことじゃない。


英介くんの優しさはあたしを好きでいてくれたから…。



きっと、あたしの幸せを望んでくれたから…。




―――――…英介くん、


あたしは負けないよ?



あなたからもらったチャンスを無駄になんかしないよ?



悠太に断られたって、あたしは頑張るからね。見てて…。



――――…頑張って、幸せになるからね?




――――…英介くん、



口には言えないけど、あたしはあなたにも幸せになって欲しいな。


でも今、あたしがそう伝えるのは酷なことだよね。



さんざん英介くんを振り回しておいて、『幸せになれ』て無責任だもん。




いつでもいいよ…―――――。




あたしは英介くんがまた笑って報告してくれるのを待ってるね?





――――ありがとう、英介くん。