咳き込んだ後だから少々赤いのを不思議に思われなくても、あんまり赤過ぎると敏感な部長や高橋さんに茶化される。 スーハーと深呼吸を繰り返し、自分を落ちつけようと努力してみた。 佐々木さんは烏龍茶のコップを私に渡しながら少し怪訝そうな顔で見ている。 もしかして態度で何か感づいた? 冷たい汗が噴き出したと同時に、佐々木さんは周りに聞こえないぐらい小さな声で 「今度メールします」 そう言って微笑んだ。