心拍数がヤバい。 きっと聞こえちゃってる。 だって冬夜の音も聞こえてるから。 顔が熱い。 冬夜の息が髪にかかって何故か恥ずかしい。 何?この状況。 でも、嫌じゃない。 落ち着く。 でも、やっぱり中川の顔が浮かんでくる。 だから、「……ね、ねぇ。家、帰ろ?」って声に出した。 「そうだな」 ゆっくり解かれた腕。 恥ずかしくて、冬夜の顔が見れないから、一目散に家に向かった。