泣きたい。 素直にそう思った。 「藍?どうした?ほら、あともうちょっとだよ?」 冬夜が心配そうな顔をして私の顔を覗き込んできた。 「ううん。…なんでもない!急ご?」 本当はなんでもなくないけど、無理矢理笑ってごまかす。 「そうか?」 疑う冬夜を抜かして、前に出る。 「うん!だから、一位獲ろう?」 「そうだな」 冬夜はそう言うと私の手を強く握って、これまでに無いくらいの速さで走りだした。 足、もつれちゃうよ。 そんなことを考えながら、冬夜の背中を眺めていると少しドキドキした。