後から教えてもらったけど、獅兎たちの家系では鈴が誓いの証らしい。

結婚式とかの誓いの言葉よりもずっとこっちのが大切だって。


――リン―――

今までよりずっと近い位置に在る鈴の音。

隣から聞こえる静かな鈴の音。

手を伸ばせば鈴が揺れて澄んだ音がする。

「っ…!?」

急にその手を掴まれて、獅兎のほうに引き寄せられた。

なんか、お父さんに許可貰ってから獅兎も遠慮がなくなったらしくて。

今はおもいっきりあたしを抱きしめて寝てる。

嫌じゃないけど……ちょっと苦しい……。

いいもんっ。

あたしも獅兎抱きしめ返すもんっ!

獅兎の腕の隙間からあたしの腕を獅兎の背中にまわした。