君はガラスの靴を置いていく






『でも火が………』


線香花火を受け取った千花が言う。俺はすぐにポケットからライターを出した。

男ならライターぐらい持ってるし。俺悪い子だから


シュッッと擦ると暗闇に明かりが灯る。俺は火を付ける前にある事を言った。



『先に火の玉が落ちたら罰ゲームね』

この前から始まった線香花火のルール。
勿論、千花は俺が強い事を知らない。


『………罰ゲーム?何するの?』


千花は少し不安そうだ。


『うーん、それは負けた後で決めよう』


俺はそう言って罰を決めないまま千花の花火に火を付けた。そしてすぐに自分も付ける。


------------ジリジリっとはじめは小さく。でもだんだんとそれは大きくなっていく。


千花は揺れないように真剣だけど、俺は妙に余裕だった。なんか落ちる気がしないし。


暫く無言の時間が続きそろそろ千花のがやばそう。


『もう落ちるんじゃない?』


わざとそんな事を言ってみる。

俺の花火は良い大きさを保ち、まだまだ音を立ててジリジリ言っている。


『ま、まだ大丈夫だよ』


千花はそう言ってるけど火の玉は僅かに棒に付いてる感じで、ちょっとでも揺れたらすぐに落ちるだろう。