君はガラスの靴を置いていく





俺は残っていたパンを2、3個買って、その場を後にした。それなのに何故か足音が追ってくる。



『ねぇ、ちょっと待ってよ』


爽やかな顔で俺は豊津先輩に呼び止められた。


『俺になにか?』


男に追いかけられても嬉しくない。しかもそれが欠点なしのモテ男だし。


『名前、宮澤洋平君で合ってる?』


『まぁ、』


『宮澤君ってモテるよね。いつも女の子に囲まれてるし』


----------------これは喧嘩売られてる?モテ男にモテるとか言われても嫌味にしか聞こえねーよ。



『それは先輩じゃないっすか?
俺はそうでもないし』

とか、謙遜(けんそん)しているふり。ここでムキになったら負けだろ。


それに男はこんな下らない事言う為にわざわざ追いかけてきたりしない。だから、



『俺に言いたい事あるんじゃないですか?』

先に話を切り出した。だってさっさと教室に戻りたいし。



『うーん。じゃぁ、聞くけど糸井千花ちゃんと付き合ってるの?』


そう言えば前に先輩の前で千花と親しいふりをしたんだっけ。こんな事を聞いてくるって事はあの噂は本当って事か。