君はガラスの靴を置いていく






千花の俺への反応は悪くない。

俺の事をどう思ってるか知らないけど、男の中で
一番近い位置にいる事は確かだと思う。



『ねぇ、宮澤。俺今日コンビニ弁当だから』


退屈だった古典の授業が終わり昼休み。

今日は屋上ではなく教室で昼飯。まるはすでに弁当を食べて始めている。

俺は今日も学食だけどあの人混みには行きたくない。パンって気分じゃないけど購買ならすいてるし。



『じゃぁ、俺買ってくるわ』

まるを教室に残し、俺は渋々重たい腰を上げた。


購買に行くとパンのおじちゃんが居た。

全て手作りパンらしく、黄色いカゴには色んな種類のパンが入っている。



『オススメはコロッケパンだよ。後、一つしかないから早い者勝ち』


そうおじちゃんが勧めてくれたコロッケパンは確かに美味しそう。

俺は残り一つと聞いてすぐに手を伸ばした。しかし同時に隣からコロッケパンを取ろうとする手が------------。


なんとなく気まずくて隣を見ると、それは見覚えのある顔。


『あ、どうぞ』

と、笑顔で譲られた俺はなんだか居心地が悪かった


『いや、先輩が先だったんで』


無愛想に返すその相手はあの豊津 聖夜。

1つ上の先輩だからか妙に余裕顔でそれが鼻についた。