『ぶっちゃけ宮澤、2組の糸井さん狙ってるっしょ?そうゆう相手には優しくするからすぐ分かるし』


同じクラスの男子がニヤニヤしながら聞いてきたけど、俺は2本目の花火に夢中だった。



『え、糸井さんってあの大人しい子?まじで?』


『今までと全然タイプ違うじゃん。どうした、暑さのせい?』


『でも糸井さん可愛いじゃん。ケバいお前らと違って』


『は?死ね!ばーかばーか』



--------------------こいつら本当うるせーな。


だけど妙に落ち着く。いつもの日常って感じで。
馬鹿で騒がしい空間はきっと俺に合ってる。

みんなからは自分と同じ匂いがするし。



『でも糸井さん落としたら俺、尊敬するわ。なんか全女子コンプリートって感じ?』



-----------------コンプリート?

なにそれ、それじゃ千花がラスボス的な?


『えー、糸井さんには洋平みたいな男相手にしないで欲しい。だって洋平ゲーム感覚じゃん?落とせたら満足って感じだし』


俺、なんかすげー悪く言われてない?

でも否定しないのは近いものがあるからかも。