君はガラスの靴を置いていく





『ふーん、で?宮澤は糸井さんに告るの?』

先に反応したのは増田だった。増田には何も言ってなかったしもっと騒ぎ立てると思ってたのに。


『つーか俺知ってからからね?宮澤が糸井さんを好きな事』

『へ?』

『いや、へ?じゃねーし。俺が気付かない訳ないっしょ。わざと気付かないフリをしてあげてたの!』

増田は不服そうにばくばくとポテトを食べていた。


『……悪い』

増田やまるに恋愛相談しなかったのは単純にカッコ悪いと思ったから。

だってゲームみたいに純粋な千花を落としたぜ!
ってドヤ顔で付き合いはじめて、それで飽きてきたから振って、

別れた後にやっぱり好きなんだけどどうしようなんて相談できる訳がなかった。


『いや怒ってねーよ?ってかいちいち相談してくる男友達なんてキモいだけだし』

『それ増田が言う?』

『丸山くん黙ってくれるかな?』


ケタケタと笑い声が店内に響いて俺は安心した。
もし明日最悪の結果でもこいつらが居ればいいやって思えるくらい。


『で、明日言うんだろ?糸井さんに』

増田とまるがジーと俺を見ている。


『言うよ。ちゃんと』

曖昧な事はもうしない。


『俺前に糸井さんの事考えたら応援出来ないみたいな事言ったけど、今は宮澤と上手くいけばいいと思ってるよ』


まるがニコリと笑った。それに続くように増田がボソッと言う。


『ま、まぁ、応援は一応してやるよ。リア充撲滅派だからフラれてきても全然OKだけどな』


「なんだそれ」と笑いながら、俺はもう覚悟を決めた。