君はガラスの靴を置いていく




きっと千花に恋をせずあの頃の俺のままいたら、
悠里は間違いなく1番距離が近い女になってた。

付き合うかは別としてお互い体だけの関係を楽しみ、たまに寂しくなったらこうして一緒に寝る。

深い事は考えないとても楽な付き合い方ができたと思う。


時々そっちの方が楽だなって思うよ。

こんなに必死になって何やってるんだろうって。


明日、明後日の考えられる未来なら千花を好きだと言える。でも1年後は?その先はどうなんだろう。

千花と来年の夏祭りの約束も出来なかった俺が、
ずっと好きでいられる約束なんて出来ない。


1年後もずっと好きだよ、なんて言えないけど
「あぁ、好きだな。きっと明日も」を繰り返したら1年はあっという間に過ぎると思う。

不確かな約束よりそんな近い未来を繰り返す約束じゃダメだろうか。

それだけじゃ千花を好きだと言える資格はない?


----------ガタッ。

いつの間にか授業が終わるチャイムが鳴り、廊下が騒がしくなってきた。悠里を起こそうと手を伸ばした瞬間、カーテンの隙間から視線を感じた。

まるでスローモーションのように目が合い、やばいと思った時にはもう悠里と同じベッドにいる所を見られた後だった。