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『ねぇ、最近付き合い悪いじゃん!彼女いないならうちらと遊ぼーよっ!』


俺の周りは相変わらず騒がしい。化粧の濃い女に捕まっては誘われる日々。困るのは面識のない後輩らに告白される事。

前みたいに冷たく振ったりはしないけど、人の気持ちが理解できる今は胸がチクリと痛む。



『モテモテですね~、洋平先輩』

中庭から帰る途中、悠里がニヤついた顔で待ち伏せていた。最近は撮影の為に髪を2センチ切ったらしいけど俺にその差は分からない。


『盗み聞きかよ、趣味わりーな』

『たまたまですよ』


悠里とはあの保健室以来、関係は持っていない。
悠里に限らずもうその場限りの行為はしないって決めたし興味も薄れていた。

おかげで「あいつ変な物食べたんじゃないか」
「頭を強く打ったのかも」なんて言われ、挙げ句の果てには「病気をうつされたらしい」と殴ってやりたい噂まで流れる始末だ。