君はガラスの靴を置いていく





案の定、うちのクラスは圧勝して2回戦に進む事になってしまった。勉強は最下位のクラスなのに運動能力だけはずば抜けてるから困る。

しかも増田は野球で鍛えた駿足(しゅんそく)の持ち主で足だけは無駄に速い。


『先輩も見学ですか?』


グラウンドの木陰で休んでいると隣に悠里が座ってきた。


『まだうちのクラスの番じゃないだけ。
お前と一緒にすんなよ』


悠里の服装はジャージではなく制服だった。


『えーひどい。これでも試合してきたんですよ?
うちのクラスはすぐ負けちゃいましたけど』


『んで、もう帰る準備?』


『あぁ制服ですか?だってジャージダサいじゃないですか。早く終わったんで着替えただけです』


悠里からは相変わらずいい匂いがした。

こうして制服に着替えて男子がいるグラウンドに来る辺りはさすがだなって思う。


『先輩のクラス、応援してあげましょうか?』

『いや、むしろ負ける事を応援して』

『なんですかそれ』


後輩の男子達がずっと俺達を見ている。悠里は同学年には興味なさそうだし、きっと男子達にとって高嶺の花なんだろうな。