--------------------------------------
---------------------
それから数日が過ぎて人知れず付き合い、終わったはずの千花との事は学校中にバレていた。
『お前、糸井さんと付き合ってたってまじ?』
『宮澤、1ヶ月神話継続じゃん』
『洋平、今度は私が彼女になってあげる』
どいつもこいつもなんで人の噂話がそんなに好きな訳?
『噂ってすぐ広まるね。
糸井さんと顔合わせづらいんじゃない?』
まるは次の授業の準備をしていた。
『……別に平気だよ』
俺の中に残るこのモヤモヤもすぐに消える。
千花だってすぐに忘れるよ。
恋なんて通りすぎる風と同じだ。
『あ、おい。どこ行くんだよ?』
チャイムを無視して俺は教室を出た。
『保健室。次の先生には上手く言っといて』
気分が晴れないのは周りがうるさいからだ。
男も女も大袈裟なんだよ。俺が誰と付き合って、
誰と別れようと勝手だろ。
暫く同じ学校の奴には手出さないようにしよう。
色々聞き流すのも無視するのも疲れた。