君はガラスの靴を置いていく





その後、俺達は各々シャワーを借りて潮くさい体を流した。脱衣場には新品の部屋着が用意してあって、これを着ろって事なんだろう。

歯ブラシもタオルも日用品も客人用にストックしているのか、困る事はない。


これが普通の彼女の家だったら用意がいいって感動するところだけど、この家全ての物は名前も知らないどこかの親父の物。

新品とは言え、後味は悪かった。



『あ、先輩出てきた。服のサイズどうですか?
メンズ用ワンサイズしかなくて』

リビングでは夕食の準備がされていて全部出前だけど、ピザとか寿司とか豪勢な料理が並べられていた


『おー宮澤、先にみんな食べてるから!
どれも上手くてまじで最高っ』

増田は濡れた髪も乾かさず、目の前の料理に夢中だった。他のみんなも悠里が用意した部屋着を着て雑談している。


普通の高校生じゃ味わえない時間。至れり尽くせりな環境に感覚が麻痺しそうになるけど、悠里のこれは当たり前って顔が俺を現実へと引き戻す。


『先輩どうかしました?』


こうゆう女が何もなくなった時どんな顔をするのか、俺のS心に火が付きそうだったけど、タダで飯が食えて遊べるならそれもいい。

盛大にもてなしてくれるなら楽しまなきゃ損だ。


『いや、別に』

俺はニコリと悠里に笑いかけた。