君はガラスの靴を置いていく





海から徒歩数分で立派なログハウスの一軒家が見えてきた。

正直俺は行くか迷ったけど、まるや増田が行きたそうにしてたから仕方なく乗ってやった。

雰囲気を壊しても可哀想だし。


『皆さん、どうぞ』


悠里が鍵を開けると、中からは新築みたいな木の匂いがした。


『なにここ、すげぇ…………』

みんなからはため息のような言葉が漏れている。

中は広くて家電製品も家具も全部揃っていた。今から住めと言われたら余裕で住める。


『悠里、荷物2階に置いてきていい?後、汗かいたからシャワーも浴びさせて』

悠里の友達達は何回か来た事があるらしく、慣れた様子だった。勿論、別荘なんて縁のない俺達は立ち尽くしたまま。


『先輩達も荷物下ろしてくつろいで下さいよ。部屋汚したり、散らかしても全然OKなんで』

“何をしてもパパは許してくれる”
俺にはそう聞こえた。


『………ここまじで別荘なの?普通に電気も水道も通ってるみたいだけど』

増田がキョロキョロしながら問いかけた。


『別荘ですよ。パパが好きに使っていいって鍵をくれたんですけど、海に来たついでにしか使わなくて』


『お、男の俺達が泊まって平気なの?
パパ怒ったりするんじゃ………………』


『はは、大丈夫ですよ。友達は何人連れて来てもいいって言われてるし、パパは私に彼氏が居ても怒らないですよ?私、束縛されるの大嫌いなんで』




-----------------世の中不公平だ。

真面目に働くのが馬鹿らしく思える。
でもそれを分かってて金を出す親父が居るんだから、世も末だな、まじで。