電車を降りて、真っ先に海に向かったのは明日香と増田。二人はサンダルを脱ぎ捨ててパシャパシャと水の掛け合いを始めた。
『あの二人って何気似た者同士じゃね?』
『はは、確かに』
馬鹿な二人は放っておいて、俺とまるは砂浜にシートを敷いて場所を確保した。
分かっていたけど海には沢山の人が居て、昼時の海の家の混雑はピークだった。
『あれじゃ何も買いに行けないね。
とりあえず泳ぐ?』
『………だな。つーかあいつらはもう泳いでるけど』
洋服を脱ぎ捨てて既に水着になっている明日香と増田。笑い声がこっちにまで響いてきてる。
『二人とも早くーっ!!』
買ったばかりの水着を着て明日香は水の中でピョンピョン跳ねていた。
1年振りの海は生暖かくて、これも猛暑の影響か。でも動く度に体が持っていかれる波は海に来なきゃ味わえない。
『なぁ、可愛い子居たらすぐに俺に教えろ。今日こそ絶対彼女作るから。まじで』
増田は海より彼女探しに夢中だけど。
確かに海は出会いのスポットだと思う。カップルとか家族連れとかも居るけど女子二人で明らかに男探しだろ?って奴らも少なくない。
『糸井さんは今日なにしてんの?
誘ってくれば良かったのに』
まるは明日香が持ってきたボールの空気入れをさせられていた。今まで俺に彼女が出来てもそんな事言わなかったのに、千花の事はわりと気にかけてくれる。
『今日も夏期講習だって。つーか誘っても来ないだろ。水着着てる千花が想像できねぇ』
海に来てはしゃぐタイプじゃないだろうし、肌の白い千花が日焼けをするのもなんか似合わない。



