「――っ!」



そこで、私は目を覚ましてしまった。


ふいに現実に戻され、目を見開いて天井の一点を見つめる。


夢なのにより現実的な夢。

それに、昨日見ていない場面を今日も見た。


……これは何かありそうな予感がする。



「やっぱりこいつ可愛いなあ……」



ふいに男性の声が聞こえ、その声のした方へ顔を向ける。

よく見れば障子がほんの少し、2㎝ぐらいだろうか、開いていた。


そして驚くことに誰かの目が二つ、縦に並んでいるではないか。


どうやら覗かれているらしい。

……それにしても気味が悪い。



「左之助はこういう女が好きなのか?」


「まあな。新八はもっとあれだろ?何て言うか……あれだよな!」


「あれじゃ分かんねえよ!そもそも俺の好み知らないだろう!」



私の目がそっちに向いていて、本当は目が合っていることにさえも気づかないのか、そのまま会話を繰り広げる。


いい加減気づけよ、と思いながら、私も二つの目を交互に見る。