「お前、これじゃ二年後の推薦は難しいぞ」



それはこの前あった中間テストの成績表だった。


以前、担任との二者面談の時に、うっかり「推薦で大学に入りたいんです」と言ってしまった。

だから担任は私の成績を気にして、こんな風に個人的に話すんだろう。



「分かってます」



俯いて残念そうな雰囲気を作り、言う。


320人中267位。


その結果を見て、少し落ち込んでいるのは事実。

テンションもかなり低いし、勉強する気もあまりなくなっている。

何とかテンションを上げたいと思っても、上げられる要素が見つからない。



「……でも」



でも、私にもう行く道が残っていないわけじゃない。

推薦が駄目なら一般入試を受ければいいことだし。


それに、先に何があるか分からないのが人生だと思うから。



「私、まだ諦めません」



床を見つめた目線をゆっくりと担任に移す。