エングラム




その姿を見届けて、アナウンスを聞く。ゲートには最初の競技の出場生徒が集まっている。

その姿を見ていた私の隣に、学級委員長がこう言いながらやってきた。

「お前100メール走だろ?」

「あ、うん」

いつの間にか敬語はぬけ、彼とは比較的喋るようになった。

「オレ障害物。──あ、鉢巻き緩まってるよ」

「え、あ。本当だ」

その指摘に礼を言いながら結い直す。

「ふぅん、普通に直しちゃうんだ」

「え?」

だってさ、と彼は手を動かしながら言う。

「わざとでも、なかなか縛れなぁいっ、ってしてオレが縛ってやるよパターン」

「うわぁ、ないない」

笑いながら返した。だってそんな、少女漫画くさい。

最初の競技の選手が運動場に流れ出した。それと共にBGM。

──行進曲、双頭の鷲の旗の下に。

体育大会でよく流れる曲が、音割れを起こしながら流れる。

「音質悪いな」

笑いながら同意した。