うわぁ、可愛げない…。
シイが小柄なのかな、いや──。
昔の彼女、とか。
用意されていたズボンは少し緩かった。
え、上下逆でしょそこ。
ずり落ちそうなそれを何度も上げながら、シイのいるリビングに行く。
「服ありがとうございます」
そう言いながらもう一度ズボンを上げた。
「あぁ」
立っていたシイが私に手招きした。
自分の隣を、トントンと叩き隣に来いという合図。
私は大人しく言われたままに隣に座る。
「服サイズ合ったか?」
「…下は少し緩いですが…上はサイズがまぁあってました」
シャツの胸元を少し指で摘み、若干の緩さをアピール。
「あぁ、近くのおばさんが譲ってくれたやつ」
「……近くのおばさんって」
笑うと、シイが頬をかきながら答える。
「なんか一人で花屋をぽつぽつやってるオレの背中が切なくなったらしい」
思わず噴き出したら、シイが私の頬を引っ張った。
「息子のお下がりらしい。サイズ小さかったから棚にしまいっぱなしだった。──って笑うな」
「いひゃひゃ」



