エングラム




「では」

向かい合わせに座り、手を合わせる。

おままごとしてる気分。
くすぐったくて笑えてしまう。

「いただきます」

シイが言って、箸を持った。

「いただきまーす」

私も言って、箸をもちチャーハンに手をつける。

一口食べたシイが、ほっとしたように胸を撫で下ろしたのを見逃さなかった。

「そんなに私とした料理は怖いですか」

「いえそんな滅相もない」

顔を引き攣らせたシイだが、すぐに普段の調子に戻る。

「デザートはシランで」

げふっ、ごふっ。
チャーハンが喉につっかかった。

「おいおい」

シイはそう言いながら、私にコップを手渡す。

咳をしながらそれを飲み、チャーハンを流すと長く息を吐いた。

「うわぁ…すみません」

「顔赤いぞ」

誰のせいだろうな、と呟いた彼は確信犯。

チャーハンのせいです、と答えもう一口頬張る。

「今度は何にしようか」

思わず口元が緩んだ。次がある。