え?と私は聞き直す。 「オレたちのバンド名。クラスペディア」 不思議な、響き。 クラスペディア。 ひとつそう呟くと、体の中にストンと収まった。 しかしまるで──…。 チラリとシイを横目に見た。 視線が、合う。 なんだろう、人の心が読めるんじゃないか。 「…読めるんだ」 シイが自分の額に手をあてた。 目を少し伏せて、もう一度言葉をなぞる。 「人の心が読めるんだよ」