『わたしの夢は専業主婦になることなの。 夫と子どもに囲まれて、毎日家族のためにご飯を作って掃除して…… わたしは家族のために生きてるんだって実感したい。』 あれは、わたし。 わたしの夢だった。 忘れていた。 安定した毎日、それはわたしが望んでいたものだった。 何よりもその幸せを、忘れてしまっていた。 「ありがとう、二人とも。」 そっと、幸せをかみ締めて、笑顔を返した。