鏡を見つめる。


この行為は私にとってこの上ない苦痛。


直視できない、コンプレックスの1つ。




だけど、鏡を見つめる。



それは、1つの儀式。



「うぃすきー」



『こう言う口の形が、一番キレイに見える笑顔だから』


そう言われて、これを繰り返す。



ちゃんと笑えているのか、不安になるけれど。


一呼吸おいて、私は立ち上がる。



ここから、私の一日は始まる。




「いつも笑顔だよね」


そう言われて、引きつっていないかと、頭の隅で考える。




ほんとは笑いたくないの。




と、言ったら、どんな顔をされるだろう?


そんな考えを、バカだなと笑って私は言う。



「スマイル0円だから、オールウェイズ。

あ、でもお持ち帰りはないよ?」