「…空から見ててね。きっと、本当の自分を取り戻して見せるから、ほのか。
それにしても…」


―麗華さんと出会って思い出した。時の長さじゃない、濃いかどうかが問題だったよね。初恋は―

ケイは、少し前進した様に思えた。まだ、一部分ではあっても、自分の心のかけらの一部分はそれだった、そんな確信があった。


信号が青に変わった。灰色のこの街のスクランブル交差点を、人込みをかき分け前へ前進するケイ。その様子は、今後の自信を表すかの様な、堂々とした態度であった。