8
 ビーチの砂は降り続く雨である程度冷えていた。


 俺も里夏もビーチサンダルを履き、歩いていく。


 やがて十分ほど経つと、雨が降り止んだ。


 俺が差していた傘を折り畳み、


「雨止んだな」


 と言う。


「ええ。晴れ始めるわね」


 里夏が頷き、俺たちは海開きがされている海岸沿いで、ビーチパラソルを一つ陣取る。


 そしてデッキチェアーに座り、互いにサングラスを嵌めて、ゆっくりし出した。


 俺がふっと、


「ちょっと海に入って、体冷やしてくるよ」


 と言い、サングラスをテーブルに置いて、海に向かい歩いていく。