「はいはい、すみませんね、先輩。もうすぐチャイム鳴っちゃうので教室戻った方がいいですよ?」


そう言って横から割り込んできたノンちゃん。


「続きは昼休みか放課後辺りでどうですか?」


にっこり先輩に笑うノンちゃん。

確かに、そろそろ鳴る時間だ。


「……そうね、そろそろ行かなきゃ。あたし、弥生百花(やよいももか)。これからよろしくね!」


先輩は満面の笑みでそう言った。

最後に将平の頭に手を置いてから、教室に向かって行った。


「……座ろう」


将平から、悲しみを感じたなんて、先輩には言えなかった……。