次の日、フェイレイたち3人は再び坑道を訪れ、中で眠っている街の人達に花束を手向け、手を合わせた。

どうか、安らかに。

しばらく目を閉じて祈りを捧げた後、与えられた休暇を有意義に過ごすべく、海へと出かけた。



ジリジリと焼け付くような太陽が照らす白い砂浜と青い海は、目を細めなければならないほどに眩しい。

そこに元気良く飛び出していったはずのフェイレイは、リディルを見てガックリと肩を落としていた。

「な、なんで水着じゃないの?」

「泳げないから」

聞けば即答。

リディルは薄手の白いパーカーを羽織っていた。しかし太腿まである丈のパーカーから伸びるスラリとした生足から想像するに、中は水着なのだ。

「でも見たいって言ったら変態だと思われる」

「それくらい別にいいんじゃないですか?」

呆れながら声をかけるヴァンガードも、自身の髪色と同じ水色のパーカーを羽織っている。

「なんでヴァンもパーカー?」

「……すみません。僕も泳げません」

「そうなの!? なんだ、一緒に遠泳でもしようと思ったのに」

「遠泳!? どこまで行くつもりですか」

「あそこ」