「ねぇ、お姉さん。この鬼、どうするのさ」
少し離れたところから、烏丸が声をかけた。
小鬼は床にへたばったまま、しくしくと泣いている。
「やれやれ。お前、本当にあの高丸か?」
呉羽は小鬼の首根っこを掴んで持ち上げると、顔を近づけて、まじまじと観察した。
小鬼は抵抗することもなく、だらりとぶら下がったまま、相変わらずしくしくと泣き続ける。
「なぁ、そはや丸。お前は高丸と、知り合いなのだろ? これ、本当に、あの高丸なのか?」
呉羽の問いに、そはや丸は、ちょっと首を傾げた。
「それが本質ってやつかな。鬼は、角が全てだ。角を失った瞬間、力を失う。鬼に限らず、角のあるものは、大体がそうだが。逆に言えば、角にはそれだけの力が集まってるってこったな」
「あの大男も、角があればこそってことか」
呆れたように、呉羽が呟く。
「ねぇ、お姉様。この小鬼には、力はないの?」
多子が、呉羽の後ろから顔を出して言った。
「そうですねぇ。わたくしには、これといった力は、最早感じられませぬが。多子様には、何か感じられますか?」
‘感じる’力は、多子のほうが上だ。
呉羽は念のため、逃げられないよう再び小鬼の身体全体を片手で掴むと、多子のほうへ近づけた。
「う~ん・・・・・・。微弱な妖気は感じるけど。何だかお姉様のお屋敷から、自分の力が正確に働いてるのか、ちょっとわからないのよ」
多子は冷静に、己の力を分析する。
頭の良い娘だ。
少し離れたところから、烏丸が声をかけた。
小鬼は床にへたばったまま、しくしくと泣いている。
「やれやれ。お前、本当にあの高丸か?」
呉羽は小鬼の首根っこを掴んで持ち上げると、顔を近づけて、まじまじと観察した。
小鬼は抵抗することもなく、だらりとぶら下がったまま、相変わらずしくしくと泣き続ける。
「なぁ、そはや丸。お前は高丸と、知り合いなのだろ? これ、本当に、あの高丸なのか?」
呉羽の問いに、そはや丸は、ちょっと首を傾げた。
「それが本質ってやつかな。鬼は、角が全てだ。角を失った瞬間、力を失う。鬼に限らず、角のあるものは、大体がそうだが。逆に言えば、角にはそれだけの力が集まってるってこったな」
「あの大男も、角があればこそってことか」
呆れたように、呉羽が呟く。
「ねぇ、お姉様。この小鬼には、力はないの?」
多子が、呉羽の後ろから顔を出して言った。
「そうですねぇ。わたくしには、これといった力は、最早感じられませぬが。多子様には、何か感じられますか?」
‘感じる’力は、多子のほうが上だ。
呉羽は念のため、逃げられないよう再び小鬼の身体全体を片手で掴むと、多子のほうへ近づけた。
「う~ん・・・・・・。微弱な妖気は感じるけど。何だかお姉様のお屋敷から、自分の力が正確に働いてるのか、ちょっとわからないのよ」
多子は冷静に、己の力を分析する。
頭の良い娘だ。


