妖(あやかし)狩り~外法師・呉羽&妖刀・そはや丸~

一回転して着地した呉羽は、間を置かず、そはや丸に手を伸ばした。
が、呉羽に掴まれる前に、そはや丸は地を蹴っていた。

はっと顔を上げた高丸の顔面に、そはや丸の足がめり込む。
しかし、岩のような高丸には、大きなダメージは与えなかったようだ。

高丸は腕を大きく振るって、そはや丸を弾き飛ばそうとする。

「そはや丸っ!」

高丸の攻撃をかわして床に着地したそはや丸に、呉羽は叫びながら駆け寄った。
にやっと笑うと、そはや丸は呉羽のほうに飛ぶと同時に、刀に変わる。

「ふ。お前のような小娘が、そのような妖刀を持ったところで、怖くもないわ。その忌々しい刀と一緒に、今度こそ葬り去ってくれる」

「お前とそはや丸の過去などどうでもいいが、お前は昔、そはや丸に負けたのだろ」

冷静な呉羽の言葉に、高丸の眦(まなじり)が釣り上がる。

「だったら、私にも勝てない」

呉羽が言い終えると同時に、高丸は、目にも留まらぬ速さで、呉羽目掛けて拳を振り下ろした。