妖（あやかし）狩り～外法師・呉羽＆妖刀・そはや丸～

「こんな小娘の、どこにそんな力があるというのだ！」

高丸は、呉羽の腕を掴んでいた手を首に回した。

「このように細い首、片手でもぎ取ることも、難しくないわ」

片手で呉羽を抱え、もう片方の手で呉羽の首を掴みながら、高丸は、そはや丸に叫ぶ。

「くうっ･･････」

呉羽が呻き、苦しそうに顔をしかめる。

「らしくねぇなぁ。お前らしくもなく、油断していたからな」

そはや丸はのんびりと言い、ゆっくりと高丸の左側、呉羽のほうへと移動する。

---お前がいきなり人型に戻るからだろっ！---

そはや丸を目で追いつつ、呉羽は心の中で毒づいた。

と、そのとき、いきなり高丸が、呉羽の首を掴んでいた右手を放した。
急激に空気が身体に流れ込み、呉羽は激しくむせる。

「なんだ？！　そはや丸、お前か？」

高丸の右手の甲に、いきなり一本の黒い羽根が突き刺さったのだ。
高丸が羽根をくわえて引き抜こうとした途端、羽根に結びつけてあった白い紙が燃え上がった。

「うおっ！」

思わず高丸は、左手で羽根を掴んだ。
高丸の左手に抱えられていた呉羽は、床に投げ出される。