「斬ったって・・・・・・。じゃあ、今目の前にいるこいつは、何なんだ?」
思わず呉羽の声が大きくなる。
高丸は、そんな呉羽をぎょろりと見た。
「ほぉ。今の貴様の持ち主は、女子(おなご)なのか。あのときより、幾多の物の怪を斬り続けてきた貴様は、最早尋常ならざる妖気を持ってしまったはずだ。その女子(おなご)も、そのうち貴様の餌食となろう」
「残念ながら、呉羽はそんなにヤワじゃない」
きっぱりと言ったそはや丸に、高丸は一瞬目を見開いたが、すぐに口角をにぃっと上げた。
そして、見かけの巨体からは想像もできない素早さで、呉羽との距離を詰めると、あっという間に彼女の単を、肩から引き剥がした。
露わになった上半身の、右肩から腕にかけて伸びる紋様を見留め、口角を上げたまま、高丸は、そはや丸に向かって、掴んだ呉羽の右腕を突き出した。
「この女子(おなご)の紋様は、ここではないか。これこそが、貴様の心中を物語っているというものだ。違うか?」
身体同様、強い力で押さえつけられ、呉羽は歯を食いしばった。
そはや丸と高丸の関係に気を取られ、油断していた。
悔しさにぎりぎりと歯軋りする呉羽の耳に、そはや丸の平坦な声が聞こえた。
「呉羽が俺の主たるのは、単純に、呉羽が俺より強いからだ」
そして一旦言葉を切り、そはや丸の声は、一転してぞっとするような声音になる。
「それに、もしお前の思う通りだとしても、呉羽が弱きゃ、俺はそいつを喰うぜ」
そはや丸の声が、辺りの空気を一瞬にして凍らせた。
思わず呉羽の声が大きくなる。
高丸は、そんな呉羽をぎょろりと見た。
「ほぉ。今の貴様の持ち主は、女子(おなご)なのか。あのときより、幾多の物の怪を斬り続けてきた貴様は、最早尋常ならざる妖気を持ってしまったはずだ。その女子(おなご)も、そのうち貴様の餌食となろう」
「残念ながら、呉羽はそんなにヤワじゃない」
きっぱりと言ったそはや丸に、高丸は一瞬目を見開いたが、すぐに口角をにぃっと上げた。
そして、見かけの巨体からは想像もできない素早さで、呉羽との距離を詰めると、あっという間に彼女の単を、肩から引き剥がした。
露わになった上半身の、右肩から腕にかけて伸びる紋様を見留め、口角を上げたまま、高丸は、そはや丸に向かって、掴んだ呉羽の右腕を突き出した。
「この女子(おなご)の紋様は、ここではないか。これこそが、貴様の心中を物語っているというものだ。違うか?」
身体同様、強い力で押さえつけられ、呉羽は歯を食いしばった。
そはや丸と高丸の関係に気を取られ、油断していた。
悔しさにぎりぎりと歯軋りする呉羽の耳に、そはや丸の平坦な声が聞こえた。
「呉羽が俺の主たるのは、単純に、呉羽が俺より強いからだ」
そして一旦言葉を切り、そはや丸の声は、一転してぞっとするような声音になる。
「それに、もしお前の思う通りだとしても、呉羽が弱きゃ、俺はそいつを喰うぜ」
そはや丸の声が、辺りの空気を一瞬にして凍らせた。


