妖(あやかし)狩り~外法師・呉羽&妖刀・そはや丸~

「そはや丸・・・・・・。やはりな」

鬼が、そはや丸を燃えるような目で睨み付ける。

「久しぶりだな。相変わらずむさ苦しいな、高丸。俺の爽やかさを、ちったぁ見習ったらどうだえ?」

心の中はどす黒いくせに、と思いながら、呉羽はそはや丸と鬼を見比べた。
知り合いのようだ。

「ぬかせ、この妖刀が。貴様のおかげで、わしはこんなところで、たまにしか来ぬ女を喰らうしか、できなくなったのだ」

「・・・・・・十分な悪行じゃねぇか」

二人の間に、火花が散る。

「お、おい。お前、この鬼と知り合いか?」

会話が途切れたところを狙って、呉羽が小声でそはや丸に問うた。

「こいつは高丸。通称‘悪の高丸’だ。その昔、散々悪行の限りを尽くしていた鬼だよ。それを、俺が斬った」

視線は鬼---高丸から外さず、そはや丸は淡々と言った。
そはや丸の過去を、呉羽は知らない。