「おお・・・・・・。おのれ、何者・・・・・・」
「それは、こちらの言うことだな」
闇を震わす声にも怯むことなく言う呉羽に、几帳の裏の手は、すっと消えた。
「その刀・・・・・・。ただの刀ではないな。まさか・・・・・・」
声と共に几帳が倒れ、鬼火の下に一人の大男が現れた。
そはや丸と同じような、着流し姿。
だが、そはや丸の人型とは比べようもないほどの、大男だ。
全身毛むくじゃらで、顔も髭で覆われている。
筋肉隆々としたその姿は、さながら地獄の獄卒そのものだ。
加えて男の頭頂部には、一本の角が生えている。
「驚いたな・・・・・・。本当に、鬼がいたのか」
呆気に取られて呟いた呉羽の右手が、不意に震えた。
はっとして視線を落とした途端、右手に握っていたそはや丸が、いきなり人型になって呉羽の少し前に立った。
「おいそはや丸! どういうつもりだ!」
慌ててそはや丸の肩を掴んで言う呉羽を見もせず、そはや丸の視線は、目の前の鬼に注がれている。
「それは、こちらの言うことだな」
闇を震わす声にも怯むことなく言う呉羽に、几帳の裏の手は、すっと消えた。
「その刀・・・・・・。ただの刀ではないな。まさか・・・・・・」
声と共に几帳が倒れ、鬼火の下に一人の大男が現れた。
そはや丸と同じような、着流し姿。
だが、そはや丸の人型とは比べようもないほどの、大男だ。
全身毛むくじゃらで、顔も髭で覆われている。
筋肉隆々としたその姿は、さながら地獄の獄卒そのものだ。
加えて男の頭頂部には、一本の角が生えている。
「驚いたな・・・・・・。本当に、鬼がいたのか」
呆気に取られて呟いた呉羽の右手が、不意に震えた。
はっとして視線を落とした途端、右手に握っていたそはや丸が、いきなり人型になって呉羽の少し前に立った。
「おいそはや丸! どういうつもりだ!」
慌ててそはや丸の肩を掴んで言う呉羽を見もせず、そはや丸の視線は、目の前の鬼に注がれている。


