私の場合は、そはや丸になるのかなぁと、関係ないことを考えていると、多子が、ちっちっと指を振った。
「残念ながら、私に乳母子(めのとご)はいないのよ。乳母(めのと)はいるけどね。ほら、お姉様を追い返そうとした女房よ」
「ああ、あの偉そうな人ですか」
確かに姫君第一の、忠実な女房だった。
「あの女房について来られたら、確かにたまったもんじゃありませぬな」
「ていうか、化け物屋敷に行くなんて、許してくれないわよ。どうしても行くなら、わたくしはここで喉を突きますとか、言い出しかねないわ」
「・・・・・・それは、面倒くさいですね」
「右丸は鳥の物の怪を渡したこともあるし、きっと供をしてくれるだろうと思って。車を動かさなきゃならないし」
右丸が例え嫌がっても、主家の姫君の命令とあらば、従わざるを得ないだろうよ、と思いながら、呉羽は適当に頷いた。
「残念ながら、私に乳母子(めのとご)はいないのよ。乳母(めのと)はいるけどね。ほら、お姉様を追い返そうとした女房よ」
「ああ、あの偉そうな人ですか」
確かに姫君第一の、忠実な女房だった。
「あの女房について来られたら、確かにたまったもんじゃありませぬな」
「ていうか、化け物屋敷に行くなんて、許してくれないわよ。どうしても行くなら、わたくしはここで喉を突きますとか、言い出しかねないわ」
「・・・・・・それは、面倒くさいですね」
「右丸は鳥の物の怪を渡したこともあるし、きっと供をしてくれるだろうと思って。車を動かさなきゃならないし」
右丸が例え嫌がっても、主家の姫君の命令とあらば、従わざるを得ないだろうよ、と思いながら、呉羽は適当に頷いた。


