「さすが、大貴族の姫君だねぇ。呉羽なんぞよりも、随分色恋に詳しいぜ」
「お姉様は、勿体ないわ」
まんざらでもないように口角を上げて、多子は部屋の中を見回した。
「もっと綺麗な格好をすれば、貴族の目にも留まるのに。父上に頼んで、後見してもらおうかしら」
「ははっ、やめとけ。確かに黙ってりゃそれなりに見えるが、あのじゃじゃ馬っぷりは、相当なもんだぜ。呉羽は貴族なんかに、興味はないしな」
再び多子の目が輝く。
「ねぇ、それって、嫉妬? 下手に貴族お抱えになったら、いつお姉様にお手がつくかもしれないし?」
この辺は、まだまだ子供だ。
興味のあるほうへ、話を結びつけたがる。
「下世話だねぇ。残念ながら、俺と呉羽は、そんなんじゃねぇよ」
「そうかしら」
まだにやにやと、何か含んだ言い方の多子から、そはや丸は、ついと視線を逸らせた。
「お姉様は、勿体ないわ」
まんざらでもないように口角を上げて、多子は部屋の中を見回した。
「もっと綺麗な格好をすれば、貴族の目にも留まるのに。父上に頼んで、後見してもらおうかしら」
「ははっ、やめとけ。確かに黙ってりゃそれなりに見えるが、あのじゃじゃ馬っぷりは、相当なもんだぜ。呉羽は貴族なんかに、興味はないしな」
再び多子の目が輝く。
「ねぇ、それって、嫉妬? 下手に貴族お抱えになったら、いつお姉様にお手がつくかもしれないし?」
この辺は、まだまだ子供だ。
興味のあるほうへ、話を結びつけたがる。
「下世話だねぇ。残念ながら、俺と呉羽は、そんなんじゃねぇよ」
「そうかしら」
まだにやにやと、何か含んだ言い方の多子から、そはや丸は、ついと視線を逸らせた。


