妖(あやかし)狩り~外法師・呉羽&妖刀・そはや丸~

竈の傍に置いてある籠を開け、中から、からからに乾いた草を掴んで、湯に放り込む。

「巫女様。それは?」

のろのろと呉羽についてきた右丸が、力のない声で問う。
湯を覗き込むと、妙な匂いが鼻を突いた。

「自家製のお茶だよ。癖があるが、気分が落ち着く」

柄杓ですくったお茶を、呉羽は一口、口に含んだ。
その一挙一動に、右丸はやはり、ぼぅっと見惚れる。

「飲むか?」

不意に呉羽が自分を見たので、右丸は大いに狼狽えた。

「あ、は、はい。ありがとうございます」

慌てて頭を下げつつ、呉羽から茶の入った茶碗を受け取った右丸は、慣れない匂いに顔をしかめながらも、少し苦いお茶を飲み込んだ。
なるほど、確かにすっと気分が落ち着くようだ。

「そうだ。今日は、烏丸は? お前、右丸だよな?」

呉羽が思い出したように、右丸を覗き込んで言った。
折角落ち着いた心臓が、呉羽の接近でまた早鐘を打つ。

「あ、えっと。彼はまだまだ本調子ではないようで、大抵は寝ているので。特にこの前、長い間表に出ておりましたので、疲れているのでしょう」

「まだ子供だしなぁ」

ははは、と笑う呉羽に、右丸は眩しそうな目を向ける。
だが同時に、じくじくと胸が痛むのだった。