妖(あやかし)狩り~外法師・呉羽&妖刀・そはや丸~

うんざりしたように、呉羽は口を開いた。

「これには、そはや丸という名があります」

「そはや丸ね。ねぇ、そはや丸はお姉様のこと、どう想ってるの?」

そはや丸が妖刀だということなど、頭から吹っ飛んでいるように、多子は身を乗り出した。

「どうとも。口は悪いわ、がさつだわ、偉そうだわ。さらに始末の悪いことに、俺様の主ときてる」

そこまで言ったときに、右丸が姿を現した。

「あの、お湯が沸きましたが・・・・・・」

右丸を見た途端、そはや丸は、にやりと笑って呉羽の肩を抱いた。

「ま、寝てりゃ可愛いがね」

意味ありげに‘寝てりゃ’の部分を強調している。
右丸は再び戸口に立ったまま、固まってしまった。

「さっきから何なのだ。あ、湯が沸いたんだったな」

そはや丸の腕を跳ね飛ばすと、呉羽は立ち上がって、竈のほうへ移動した。