妖(あやかし)狩り~外法師・呉羽&妖刀・そはや丸~

純朴な右丸は、いたたまれなくなったらしく、立ち上がると、早口に言った。

「あ、あの。やはりわたくしは、同席するのも憚られます故、簀の子(すのこ)に出ております」

「気にするな。大体簀の子なんぞに出ていたら、死臭が染みついてしまうぞ」

呉羽が、そはや丸にもたれたまま言う。
その態度が、右丸をいたたまれなくしているのだが。

「し、しかし・・・・・・。座っているだけというのは、慣れませんで・・・・・・」

振り返ったものの、呉羽を見ることができずに、視線を逸らせたまま言う右丸に、呉羽は軽く言った。

「じゃあ、水を汲んで来てくれるかな。そっちに竈があるから、湯を沸かしてくれ」

「わかりました」

言うなり右丸は、急ぎ足で部屋を出て行った。
右丸が出て行くと同時に、呉羽は視界が揺れているのに気づく。
もたれているそはや丸が、笑っているのだ。

「何がおかしいのだ」

「いやぁ。奴は可愛いねぇ」

堪えきれなくなったように、そはや丸は笑い続ける。