妖(あやかし)狩り~外法師・呉羽&妖刀・そはや丸~

呉羽の影を追ってしばらく歩くと、前方に小さな屋敷が見えてきた。

右丸は汗を流しつつ、黙々と歩いていた。
彼の背には、多子が背負われている。

呉羽の影を追って蓮台野に入ったものの、足元に転がる夥しい人骨や屍に、多子の足が止まってしまったのだ。
右丸としても、主家の姫君にこのようなところを歩かせるのは忍びなく、多子を背負うことにしたのだ。

右丸の背で、多子はぎゅっと目を瞑り、小さくなっている。

やっとの思いで屋敷の前まで辿り着くと、呉羽の影は、中へ入るよう目で促して、掻き消えた。

「多子様。着きましたよ」

多子が顔を上げるのを見計らい、そっと降ろすと、今度は多子の手を引いて、屋敷の中に入った。

「ごめんください」

簀の子(すのこ)に上がり、妻戸に手をかけて言うと、中から男の声がした。

「やっと来たか。えらい時間がかかったなぁ。あ、静かに入れよ」

先程から呉羽の影の口を通じて聞こえていた声だと思い、右丸はそっと妻戸を開けた。

途端、右丸は目を見開いて固まった。