命からがら陰陽師の手から逃れた烏丸は、同じく祭りを見に来ていた貴族の牛車に飛び込んだ。
そこには姫君がいたが、姫はいきなり飛び込んできた異形のものに、驚きはしたものの、騒ぎ立てることなく匿ってくれたのだという。
「匿ってくれたといっても、布に包んでくれただけなんだけど。でも上等の布だったから、凄く気持ちよかった」
妙な姫君だな、と呉羽は思った。
車からの祭り見物というからには、相当な家柄だろうに、騒ぎもせず布に包んでくれるなど、随分肝っ玉の据わった姫君だ。
「お前、元の姿は、愛らしかったりするのか?」
たまに物の怪でも、可愛らしい見かけのものもいる。
「お姉さんには、見えるんじゃない?」
言われて呉羽は、ぎっと童を見る。
初めと違い、烏丸も存在を抑えることなく前面に出ているため、はっきりと妖が入っているのはわかるが・・・・・・。
「・・・・・・随分痛めつけられたんだな。姿かたちは、ぼんやりとしかわからん」
『呉羽で見えないってことは、まさに死にかけだったんだな。で、まだまだ回復してないってことか』
そこには姫君がいたが、姫はいきなり飛び込んできた異形のものに、驚きはしたものの、騒ぎ立てることなく匿ってくれたのだという。
「匿ってくれたといっても、布に包んでくれただけなんだけど。でも上等の布だったから、凄く気持ちよかった」
妙な姫君だな、と呉羽は思った。
車からの祭り見物というからには、相当な家柄だろうに、騒ぎもせず布に包んでくれるなど、随分肝っ玉の据わった姫君だ。
「お前、元の姿は、愛らしかったりするのか?」
たまに物の怪でも、可愛らしい見かけのものもいる。
「お姉さんには、見えるんじゃない?」
言われて呉羽は、ぎっと童を見る。
初めと違い、烏丸も存在を抑えることなく前面に出ているため、はっきりと妖が入っているのはわかるが・・・・・・。
「・・・・・・随分痛めつけられたんだな。姿かたちは、ぼんやりとしかわからん」
『呉羽で見えないってことは、まさに死にかけだったんだな。で、まだまだ回復してないってことか』


