「おいらは鞍馬の山にいた、烏天狗だよ。ちょっと前にあったお祭りを見に、都に降りてきたときに、人に化けたほうが近くで見れると思って、貴族の従者に化けたの。でも運悪く、その貴族は陰陽師を連れてて、そいつがおいらのこと見破って、術で攻撃してきたんだよぅ。おいら、まだ力も弱いから、こてんぱんにやられて、死にかけてるところを、この童が助けてくれたんだよ」
「・・・・・・お前は何か、そういう力があったってことか?」
「おいら? おいらはまだ、大した力はないよ」
「違う、お前だ・・・・・・。ややこしいな。牛飼童のほうだよ」
あ、と童は振り返り、呉羽を見た。
瞳が紅い。
「この童は、右丸(うまる)っていうんだ。おいらには、名はないけど・・・・・・」
「お前に名がなかったら、呼び分けられんな」
呉羽の言葉に、烏天狗である童が、少し照れながら言った。
「お姉さんがつけてよ」
「・・・・・・お前は何か、そういう力があったってことか?」
「おいら? おいらはまだ、大した力はないよ」
「違う、お前だ・・・・・・。ややこしいな。牛飼童のほうだよ」
あ、と童は振り返り、呉羽を見た。
瞳が紅い。
「この童は、右丸(うまる)っていうんだ。おいらには、名はないけど・・・・・・」
「お前に名がなかったら、呼び分けられんな」
呉羽の言葉に、烏天狗である童が、少し照れながら言った。
「お姉さんがつけてよ」


