妖(あやかし)狩り~外法師・呉羽&妖刀・そはや丸~

確かに多子と比べれば、呉羽は着ている物から身のこなしまで、全てが違う。
だがそれは、二人の育ちが違いすぎるからだ、と、呉羽は思う。

しかし旋風丸の言わんとしていることは、そういうことでなく、もっと根本的なことのようだ。
そもそも、旋風丸の言う‘乙女’というものが、呉羽にはさっぱりわからない。

「・・・・・・乙女心って何だ」

「そこじゃよ」

旋風丸が、多子の肩の上で、腕を振り回して力説する。
長く一人で生きてきたのだろう、人と語らうのが嬉しいのか、妙に饒舌だ。

「お前さん、見たとこ十五、六じゃろう。それぐらいともなれば、普通はできるだけ綺麗な物を身につけ、色恋にうつつを抜かし、他の女子(おなご)より少しでも己を美しく見せることしか、頭にないものじゃ」

「旋風丸。それは言い過ぎよぅ。それしか頭にないのは、遊び女(あそびめ)じゃないの」

多子が、笑いながら茶々を入れる。

「いやいや。わしは大昔から女子というものを見てきた。貴族も庶民も、これぐらいの歳のころは、概してそういうものじゃ。常に男の目を気にして行動する時期じゃろ。色恋が楽しいのも、このころじゃ」

旋風丸と多子を眺めながら、呉羽はあんぐりと口を開けた。