「…翔ー!! いつまで練習をサボる気??」 「あ…。」 …ふと、いつだか聞いたことのある声が、遠くの方から聞こえた。 その瞬間、翔の腕がホロリと緩む。 隙を見つけた私は、翔の腕を力づくで振り払うと、そこから脱出した。 「お前、大会前なんだから真面目にやれよ。」 「…わりぃ。」 さっきの声の主はこちらまで来ると、翔を軽く睨む。 それを罰が悪そうな顔で、謝りながら髪を掻く翔。