正直、驚いた。 顧問のことだから、いつも通り、ぎこちなく話かけてきて、お馴染みのセリフを残して帰っていくと思っていたのに。 今日は、ぎこちない会話もなければ、お馴染みのセリフもない。 なんだか、違和感を感じる。 『…場所は変えなくちゃいけないんですか??』 「え??」 『わざわざ移動しなくても、いいと思うんですけど。』 想像通りの、顧問の困惑した笑顔。 私は、あくまでも無表情を崩さない。