―――――――――… ――――――――… ―――――――… 「まいったなぁ。」 彼は翔。 翔は前髪をバサッと掻き上げるとその場に座りこんだ。 翔の視線の先には1人の女の子がいる。 ――早口結衣。 翔が想いを寄せている女の子である。 翔はずっと彼女をみていた。 …あの日から、ずっと。 「…嘘じゃ、ないんだけどな。」 翔はボソッとつぶやく。 その顔は、赤みを帯びていて、照れているように見えた。