『彼女の嘘なんか信じてないし。 別に気にしなくていいから。』 わかってる。 翔が私なんか、好きになるわけないって。 翔は人気者で明るくて、私とが世界が違う人。 それに、 ーーこんな私が誰かに好きになってもらえるわけないじゃない。 『…じゃあね。』 そう言って、私は翔から背を向けると歩きだした。 絵を早く描きたいし、翔の相手をしてる暇はない。 …それにしても。 翔はとんだ災難だな。 あんな面倒くさい子に捕まって。 挙げ句の果てに逆ギレされて。 …まぁ、同情はしないけど。