『翔が夢を叶えることが、今の私の夢だから。』



そう言って、翔をドアの方へと背中を押す。


手が弱っているから、ほんの軽く。

触れるか触れないかの強さで。



お別れの時間は、もう迫ってきているんだ。



『…明日、なんでしょ??』



祐二くんから、全部聞いた。


決着をつけるなら、今日しかなかったの。



『…帰って準備しなきゃ。』



そう言って、もう一度翔の背中を押す。


私、ちゃんと笑えているかな…??