どこか遠くを見つめる祐二くん。


そして、祐二くんを真っ直ぐみる私。


お互いの視線があってないから、祐二くんが本当に言いたいことがわからない。


私は、黙って次の言葉を待った。



「…本当はさ。

翔に口止めされていたんだけど。」



その瞬間。


祐二くんが振り向き、私を真っ直ぐ見据える。


『口止めされていた』という言葉が引っかかりつつも、本題に入ることを確信していた。




「…翔。

アメリカへ、行くはずだったんだ。」